天鳳牌譜解析(3) 配牌時シャンテン数別和了率
はじめに
今回は配牌時シャンテン数別和了率を求めます。これまでの牌譜解析と同様に、過去に天鳳で行われた牌譜を解析し以下の和了率を求めます。
ただし、あるシャンテン数の手牌が与えられたときにあがれる確率を予測することを目的とします。そこで統計学の「母比率の推定」を行います。簡単に言うと、和了率が含まれるであろう区間を求めようというものです。和了率は牌山やプレーヤーの組合せ、サイコロの目によって決まると考えると、これらは確率的に変化するので、和了率を確率変数と考えることができます。
母比率の推定
回の配牌の内、あがった回数を回とすると、は二項分布に従います。ここでは和了率で、これを推定します。が十分に大きいとき、中心極限定理によりを標準化した値の分布はに従うとみなせます。
標準正規分布表からとなる確率は95%です。この式を変形すると次のようになります。
はで表される標本比率です。は十分に大きいので近似的に不等式の左辺と右辺のをで置き換えます。
結果
2016年から2018年の天鳳鳳凰卓東南戦を対象にしました。配牌時シャンテン数別和了率とその信頼区間は以下のようになりました。配牌時シャンテン数の期待値は約3.5なので、サンプル数の少ない配牌時テンパイの和了率の信頼区間が広くなっていることがわかります。
配牌時シャンテン数 | あがった回数 | 配牌の回数 | 和了率(95%信頼区間) |
---|---|---|---|
0 | 1245 | 1756 | 0.709 (±0.0212) |
1 | 63829 | 133838 | 0.477 (±0.00268) |
2 | 675721 | 200894 | 0.336 (±0.000653) |
3 | 1891813 | 7772906 | 0.243 (±0.000301) |
4 | 1517705 | 8562389 | 0.177 (±0.000256) |
5 | 360619 | 2812440 | 0.128 (±0.000391) |
6 | 17154 | 179607 | 0.0955 (±0.00136) |